賃貸契約とは?手続きの流れや必要な書類について徹底解説

賃貸契約とは?手続きの流れや必要な書類について徹底解説

賃貸契約をする際、不動産会社の言うとおりにすれば問題ないと簡単に思っている方も多いのではないでしょうか。

しかし、賃貸契約は貸主と借主が不動産賃貸を法的に約束する重要な手続きです。

万が一にもトラブルがないよう、慎重に進めることが求められます。

この記事では、不動産の賃貸契約内容や手続きの一連の流れ、注意すべきポイントを解説します。

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賃貸契約とは?

不動産の賃貸契約とは、以下のような内容を明確に取り決める手続きです。

  • 不動産物件を貸す方と借りる方
  • 賃貸契約の期間と更新の条件
  • 賃貸の料金やその他の管理費・共益費の金額と支払いのルール
  • 敷金・礼金を含む初期費用の金額と支払い条件
  • 物件で生活するうえでのルール
  • 賃貸契約を解除するときの条件

実際には、これらの項目をかなり細かく定めています。

契約書に明記して貸主・借主が互いに同じ条件に同意し、署名・押印すれば契約は成立です。

証拠として契約書を双方が保管します。

あとで「あのときはこう言った」「聞いていたことと違う」といったトラブルを防ぐための手続きとして賃貸契約は非常に重要です。

賃貸契約の一連の手続きの流れ

賃貸契約は、一般に不動産業者の仲介で締結されます。

賃貸契約の一連の流れは、以下のとおりです。

  1. 不動産会社への問い合わせ:物件を探している旨や、気に入った物件があることを業者に問い合わせる
  2. 物件の内見:契約前に物件の状態を実地で確認し、同行する担当者に詳しく訊くことができる(気に入らなければ断るのも自由)
  3. 賃貸契約の申し込み:物件が決まったら、入居審査の資料となる「入居申込書」に記入(免許証などの本人確認書類が必要)
  4. 入居審査:入居予定者が入居可能かどうか、連帯保証人もあわせて審査がおこなわれる(一般的に3〜5日程度)
  5. 賃貸契約書と重要事項説明書の内容を確認:入居審査が通ったあと、賃貸契約の内容や、法律で定められた重要事項の説明を受ける
  6. 契約締結:契約内容に同意し、契約書に署名・押印する
  7. 物件の引き渡し:取り決めた日に引き渡しを受ける

入居審査などそれぞれの段階で一定期間が必要な場合もあります。

物件の状況や大家さんの事情などで変わることがあるので、必要な場合は都度確認すると良いでしょう。

賃貸契約時に必要な書類

引っ越しが決まったら、賃貸契約に必要な書類の用意を始めましょう。

本契約までに必要なものは、次のとおりです。

  • 身分証明書
  • 住民票(入居者全員の住民票が必要な場合もある)
  • 実印、印鑑証明
  • 源泉徴収票や納税証明書など収入を証明する書類
  • 連帯保証人の住民票と印鑑証明
  • 金融機関の届出印と通帳(家賃の支払いを口座引き落としにする場合)

住民票や印鑑証明は、通常半年以内に発行されたものが必要です。

連帯保証人の分も考えると、入居審査や契約締結のスケジュールに合わせて、早めにお願いしておくようにしましょう。

また、契約締結には以下の初期費用も用意する必要があります。

  • 敷金、礼金
  • 前払家賃
  • 火災保険料
  • 仲介手数料

など

初期費用は、契約締結時にまとめて支払うことが一般的です。

あらかじめ不動産会社に正確な金額を聞いておきましょう。

>>賃貸契約時に必要なものリスト|準備しておくべきお金と書類まとめ

賃貸契約の入居審査とは?

賃貸契約の入居審査とは、貸主である大家さんが、借主になりえる申込者に物件を貸すかを審査することです。

入居審査では、生活するうえで一般常識があるか、家賃をきちんと支払えるかどうか、連帯保証人の保証意思はあるかなどを確認します。

これらはどれも、賃貸契約後のトラブルを未然に防ぐためのチェックです。

入居審査でチェックされるポイントは、主に次の2つです。

  • 家賃の支払い能力(連帯保証人や保証機関の有効性)
  • 入居者の属性や性格

入居申し込みが入ると、不動産会社は大家さんに対して「入居資格に関する参考資料」を作成します。

その中の「人柄・応対態度」に関するコメントで、申込者の人物像が報告され入居可否の判断に役立てられます。

通常、賃貸契約の入居審査には3〜5日ほどかかりますが、連帯保証人に連絡が取れない場合は審査期間が延びることがあります。

早く審査を完了したい場合、連帯保証人に不動産会社から連絡がいくことを伝えておくと良いでしょう。

>>賃貸契約の入居審査は何をチェックされている?基準や年収について解説

賃貸契約時に受け取る賃貸借契約書とは?

入居審査を通過したら、賃貸契約書を確認します。

賃貸契約書には、国土交通省が出している「賃貸住宅標準契約書」が用いられることが一般的です。

住宅の賃貸契約に重要なさまざまな項目が網羅されています。

不動産会社の担当者に口頭で尋ねるだけでなく、契約書にどう明記されているかもしっかり確認しておきましょう。

特に、賃貸借契約書で確認すべきポイントは以下のとおりです。

  • 契約期間
  • 家賃
  • 家賃以外の費用(共益費、敷金礼金)
  • 禁止事項
  • 連絡先
  • 契約の解除
  • 修繕費用の負担主
  • 町内会費

>>賃貸借契約書の正しい読み方と注意点を項目別にわかりやすく解説

賃貸契約時に聞く重要事項説明とは?

重要事項説明は、賃貸物件の構造や契約条件、入居時の注意点などを確認するための重要な手続きです。

重要事項説明後、契約者が合意することで賃貸契約は成立します。

聞き慣れない言葉が出てくるため、よく理解できないところもあるかもしれません。

その際は理解できるまで確認するようにしましょう。

もし不安な方は、連帯保証人や賃貸契約に詳しい方に同伴してもらうなどして、念入りにチェックするのもおすすめです。

退去時項目の確認

重要事項説明のなかで特に気をつけたいのが「退去時項目」です。

重要事項説明の「特約」には、借主への負担を求める内容が書かれている場合があります。

  • 壁紙クロスの張替え費用の全額(本来は減価償却対象)
  • 退去時の物件のクリーニング代
  • エアコンの修理費用
  • 鍵の交換費用

賃貸物件は、ほとんどの場合いずれ退去します。

退去時にどれくらいの費用を負担しなくてはならないか、あらかじめ確認しておきましょう。

内容に納得できない、負担が大きすぎると感じたら、条件を変えられないか相談すると良いでしょう。

>>重要事項説明書とは?賃貸契約書との違いと確認すべきポイント

賃貸契約で気をつけるポイント

賃貸契約を結ぶ際には気をつけたいポイントがあります。

一つずつ詳しく見てみましょう。

内見して気に入らなかったら妥協しない

内見で気に入らない物件だった場合、その理由を見つけ、不動産会社にしっかり伝えるようにしましょう。

なぜなら、理由が具体的なほど候補物件を絞り込みやすくなり、結果として気に入る物件を見つけやすくなるからです。

ただし、予算にも限界があるので、優先度の低い条件は妥協したり、条件を当初の希望と変えたりすることで、候補物件の幅を広げてみるのも良いでしょう。

賃貸物件の内見の詳細を知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。

>>賃貸物件の内見完全ガイド!必要な持ち物と見るべきポイント

いい物件が見つかれば早めに手続きを進める

希望の条件に合う物件が見つかった場合は、早めに契約手続きをおこなうことが大切です。

好条件の物件は、他にも狙っている方が多く、迷っている間に入居者が決まってしまうこともあります。

なかには先着順ではない物件もありますが、賃貸の契約は原則として「早い者勝ち」のため、いい物件が見つかったら早めに契約手続きへと進みましょう。

いつから家賃が発生するかを確認する

申し込みをする時点で「家賃がいつから発生するのか」を確認することは重要です。

例えば、空室の物件を3月1日に契約締結する場合、仮に4月1日に入居したとしても、契約をした3月分から家賃が発生します。

家賃発生日を4月にしたい場合は、内見の段階で希望を伝え、可能な契約日に契約し入居日を設定しましょう。

ほかにも、入居後一定期間の家賃が発生しない「フリーレント」物件から選ぶ、入居日にタイミングよく空く物件を探す、などの方法があります。

無駄な支払いが発生しないよう家賃発生日をしっかり確認しましょう。

>>賃貸の入居日の決め方は?無駄な家賃を発生させない方法をご紹介

キャンセルできるタイミングを把握しておく

大家さんと借主、連帯保証人の署名・捺印がそろえば契約は成立し、キャンセルはできません。

一方で、契約成立前であればキャンセルは可能です。

キャンセルを希望する場合は、不動産会社に連絡してキャンセルの意思を伝えましょう。

連絡の手段はメールでも構いませんが、メールはいつ確認してもらえるのかわからないため、できれば電話や直接対面で伝えるのが無難です。

入居を希望する方から申し込みがあった場合、不動産会社や大家さんは入居してもらうための準備を進めています。

どうしてもキャンセルしなければいけない事情がある際は、なるべく早く連絡するように心がけましょう。

>>賃貸申し込み後のキャンセルは可能?注意点や費用の有無を解説

無職でも賃貸契約はできる?

無職でも選ぶ物件や貯金額によっては、賃貸契約ができます。

賃貸契約できるかどうかは、入居審査によって決まります。

入居審査では、家賃の支払い能力と入居者の属性や性格がチェックされるため、無職であってもこれらに問題がなければ賃貸契約は可能です。

ただし、安定した収入がないという理由で、契約を断られる可能性があります。

その場合は、2年分程度の貯金があることを証明したり、安定した収入のある連帯保証人を立てたりするなどの対策が必要です。

>>無職でも賃貸物件を借りられる?入居審査を通過するコツをご紹介

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まとめ:賃貸契約の手続きの流れを理解しスムーズに引っ越しをしよう

賃貸契約は、大家さんが所有する不動産物件を、入居希望者が借りて利用するための契約です。

契約時や入居後にトラブルにならないように、法律で定められた手続きを取る必要があります。

そのためにも、契約書や重要事項説明書をきちんと理解することが重要です。

あとで聞いていなかったとならないように、わからないことは確実に解決する必要があります。

一つひとつしっかり確認しながら、進めるようにしましょう。

これから賃貸物件探しをスタートする方は、ぜひ賃貸スタイルをご活用ください。

賃貸スタイルは幅広いタイプの物件情報を紹介しているので、さまざまな方のニーズに合う賃貸物件を見つけられます。

気になる物件が見つかればぜひお問い合わせいただければと思います。

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