賃貸物件を比較したときどちらも同じ条件なら、家賃が安いほうを選ぶでしょう。
しかし、あまりにも安すぎると不安を感じる方もいらっしゃるでしょう。
少し見ただけではわからない重大な欠陥や、問題があるかもしれません。
この記事では、そのような心配がある方に向けて、賃貸物件の家賃が安くなる理由と、危ない物件かをチェックする方法を解説します。
家賃が安くなる理由
条件が良いのに家賃が安くお得な物件は、それほどめずらしくありません。
しかし、安い理由によっては、これから暮らす際に大きな問題に発展する可能性があります。
大切なのは、理由をきちんと知ることです。
大家さんの事情
大家さんは家賃収入だけで生計を立てている場合も多く、数ヵ月の空室が生活に大きな影響を与える可能性も考えられます。
新規の入居者が少ないシーズンに退去された場合、すぐにでも家賃を得るために家賃を割安に設定する場合があります。
時期的な事情
賃貸は、入学や就職時期となる2〜3月や年度の中間の8〜9月は転勤が多い時期に需要が増加し、それにともない賃貸物件も早い者勝ちで入居が決まっていきます。
一方、それ以外の時期では需要が低いため、空室となってしまうとなかなか入居者が見つからない場合があります。
少ない入居希望者に少しでも早く入居してもらうため、家賃を相場より安く設定する場合があります。
建物が古い
物件の築年数が長いと、排水パイプや水道、配電などの設備が老朽化して使いづらいなどなにかと不便です。
ニオイがひどい、トイレが和式などの不人気な設備だとなかなか入居されず、やむを得ず家賃を安く設定する場合があります。
また近いうちに取り壊しが決まっている物件も、家賃が安く設定されがちです。
再開発など立ち退きが決まっているときも、家賃は安いですが入居期限が定められ、期限までに立ち退かなくてはなりません。
そういう事情を了承できる場合にのみ、入居できる物件です。
原状回復工事のクオリティが低い
通常、退去した後の部屋の汚れやシミを元に戻す原状回復工事が行われますが、費用を抑えて、貸し出す家賃を安くする場合があります。
多少の汚れやシミなら壁紙を張り替えない、エアコンが旧型だがまだ使えるため交換しないくらいであれば、許容できる入居者もいるでしょう。
とはいえ、原状回復工事のクオリティを下げることなく、退去後のハウスクリーニングを大家さん自身で、または懇意にしている業者に依頼するなどの経営努力でコストを安く抑えている可能性もあります。
周辺環境の問題
周辺に墓地やゴミ処理場、ゴミ捨て場がある物件は、一般に敬遠されがちです。
また歓楽街、暴力団関連の施設があれば、入居する人は少ないかもしれません。
夜眠って昼間仕事する多くの人や、子どもがいるファミリーは大いに気にするでしょう。
事故物件
家賃が相場より極端に安い場合は、事故物件の可能性も視野に入れるべきでしょう。
事故物件とは、過去になにかしらの事件や事故があった、入居者が亡くなった物件を指します。
事故物件の場合、仲介する不動産業者は契約希望者に対して事故があった事実を伝えなくてはなりません。
そのため知らずに入居はしないはずですが、あまりに極端に安い場合は念のため確認しておくほうが安心です。
取り替えできない故障している設備がある
ドアのカギやガス湯沸し器などは故障しても取り換えることも可能です。
しかし、エアコンの室外機が屋根の上にあるなど費用が高額で予算が確保できず、故障した設備がそのまま放置されていることもあるでしょう。
それをそのまま賃貸に出す場合は、家賃を安く設定して入居を促すことがあります。
特殊な間取り
日当たりや風通しが悪い物件も、家賃が安くなる傾向にあります。
洗濯物が乾かない、室内がいつもジメジメしているなど、普通の暮らしをするにも余計な手間やストレスがかかりやすい物件は家賃が安く設定される場合があります。
ほかにも冷蔵庫を居室に置くしかない、洗濯機が室内の防水パンのサイズに合わないため、ベランダなどの外にしか置けない、玄関が靴を置けないほど狭いなどの間取りも同じ理由で家賃が安くなります。
ただ寝るだけの入居者には歓迎されるかもしれませんが、多くの場合は家賃を安く設定しない限り希望者は見つかりにくいでしょう。
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安い家を探す場合の注意点
家賃が安い物件にはそれなりの理由がありますが、なかには掘り出し物のような好物件もあります。
しかし、多くがなにかしらの理由を抱えているのも事実です。
大切なのは安い理由を正しく把握し、理解してから判断することです。
不安な点があれば大家さんや営業担当者に確認する
大家さんや仲介する不動産会社の営業担当者にとって、入居者はお客様であり、これからも長くお付き合いして家賃を払ってもらいたいと考えています。
そのような相手には、こちらも不安な点をきちんと尋ねて問題ありませんです。
内見ではただ黙って見ているだけではなく、なにか引っかかったら逐一尋ねてみましょう。
やり取りが多いほど、相手もこちらが物件に望んでいることを明確に把握できます。
次は、さらに条件に合った物件を紹介してくれるかもしれません。
事故物件かどうか確認する
賃貸物件を仲介する事業者は、事故物件だった場合にその事実を契約しようとする相手に対して伝えなくてはなりません。
とはいえ、なかなか言い出しづらいことではあります。
こちらも気を遣って、尋ねづらいと感じるかもしれません。
しかし、この場合はお互いのために「事故物件ですか?」と、尋ねてはっきりさせましょう。
物件によっては告知義務が必要な期間を過ぎている可能性もあるため、事故物件かどうかがわかるサイトで調べるのもおすすめです。
周辺の環境を把握しておく
不動産会社やチラシ、雑誌で物件の概要を見ただけでは、周囲の環境のほとんどはわかりません。
日常生活では駅との距離や周囲の騒音、部屋の中の雰囲気はもちろん、駅までは階段の上り下りが多い、スーパーには駐車スペースが少ないなどの細かなことが問題になります。
暮らしの快適さは、家賃だけで測ることはできません。
長く住むおつもりならなおのこと、事前に歩いてみるくらいの調査は必要でしょう。
賃貸物件サイトの賃貸スタイルなら、場所にこだわった物件探しも可能です。
事前の情報収集にぜひ活用してください。
家賃が安い理由はきちんと確認して契約しよう
賃貸物件を探すときは、ある程度の家賃を決めるのが普通です。
できるだけ良い条件の、できるだけ家賃が安い物件が求められますが、家賃が安いのには理由があります。
理由によっては暮らしに大きな悪影響を与える可能性もあるため、契約前にきちんと確認することが大切です。
賃貸情報サイトや不動産会社の担当者、大家さんなどあらゆるチャネルを活用して情報を集め、仕上げに自ら物件周辺をチェックすれば迷いはきっとなくなるでしょう。
納得の家賃で快適に暮らすため、確認すべきことは最初に確認することをおすすめします。