賃貸マンションの機械式駐車場は立体的な構造となっており、複数台の車を省スペースで格納できるのが特徴です。
主なメリットとして、車上荒らしや盗難などの被害に遭いにくい点や、駐車場代が比較的抑えられている点などが挙げられます。
一方で、入出庫に時間がかかるなどのデメリットに注意しなければいけません。
この記事では機械式駐車場の種類やメリット・デメリット、注意点などを解説するため、物件を選ぶ際の参考にしてください。
目次
機械式駐車場とは?
機械式駐車場とは、複数台の車を立体的に格納するタイプの駐車場です。
パレット(=車を乗せる台や駐車スペース)が上下または左右に動く仕組みとなっており、スペースを有効活用できるのが特徴です。
限られた空間でも複数の車を駐車できることから、特に都市部のマンションで多くみられます。
高層かつ大型のタワーパーキングも機械式駐車場の一種です。
機械式駐車場のメリット
機械式駐車場を利用する場合は、以下のようなメリットが得られます。
車上荒らしや盗難のリスクが少ない
機械式駐車場のメリットは、車上荒らしや盗難のリスクが少ないことです。
地下や上段に車を格納するため、第三者は手を出しにくいでしょう。
ほとんどの機械式駐車場はパレットの操作に専用キーが必要であり、部外者が操作できない仕組みとなっています。
もしパレットを操作できても、車の移動には防犯装置の解除が必要です。
平置き駐車場や自走式立体駐車場に比べると、いたずらや盗難などの被害に遭う可能性は低いでしょう。
駐車場代が安い場合がある
機械式駐車場は、平置き駐車場よりも駐車場代が安く設定される傾向があります。
理由として、機械式駐車場は立体的な構造であり、同じスペースの平置き駐車場よりも格納できる車が多いことが挙げられます。
駐車場を契約する際は月々のコストがかかりますが、機械式駐車場であれば駐車場代を節約できるでしょう。
ただし、物件によっては平置き駐車場よりも駐車場代が高いケースがあるため、契約前に確認しておくことが重要です。
近隣車両とトラブルになりにくい
機械式駐車場は、近隣車両とのトラブルになりにくいのがメリットです。
車を降りたあとに機械を操作して駐車するため、隣の車にドアをぶつける、またはぶつけられるなどの心配が少ないでしょう。
駐車スペースのはみ出しによるトラブルも発生しないため、安心して駐車場を利用できます。
車へのダメージが少ない
屋内に設置されるタイプの機械式駐車場は、車へのダメージを抑えられるのがメリットです。
車に雨や日差しが当たらないため、水滴の汚れや直射日光によるボディの色あせを防止できます。
天候の影響を受けにくいことから、夏場に車内の温度が上昇したり、冬場に車が凍結したりする心配も少ないでしょう。
頻繁なメンテナンスが必要なく、車を大切にしたい方にとってはメリットが大きいと考えられます。
機械式駐車場のデメリット
メリットがある一方で、機械式駐車場には以下のようなデメリットも存在します。
故障などで利用できないときがある
設備が故障したり、事故が発生したりすると機械式駐車場を利用できません。
故障や事故などによって修理が必要な場合は、修理が終わるまで使用不可となることもあります。
また、定期的なメンテナンスの間も車を出し入れできないケースが多いです。
車に乗るまで時間がかかる
機械式駐車場を利用する際は、乗車までに時間がかかる点に注意しましょう。
機械式駐車場の一般的な入出庫の方法は、カード認証による車室の呼び出しや、操作パネルを使ったボタン操作などです。
いずれも操作の手間がかかるため、車に乗り込むまでに時間を要します。
特に朝や夕方は混雑しやすく、他の入居者が先に操作している場合は入出庫が完了するまで待たなければいけません。
また、認証に使うカードや暗証番号を忘れると、他の入居者に迷惑がかかるでしょう。
スムーズに入出庫をおこなうためには、順番がくる前に認証用カードや暗証番号を用意しておく必要があります。
車のサイズに制限がある
機械式駐車場はスペースが狭いことから、格納可能な車のサイズに制限を設けているケースが多いです。
車高や車幅が規定のサイズをオーバーする場合は、機械式駐車場を利用できません。
車高の制限は、主に以下の3パターンに分けられます。
- ロールーフ
- ミドルルーフ
- ハイルーフ
車高や車幅以外に車長や重量が制限されるケースもあるため、機械式駐車場を利用したい場合は前もって確認しておきましょう。
事故の可能性がある
機械式駐車場のデメリットとして、事故の可能性があることが挙げられます。
機械式駐車場では、車1台ごとにパレットが割り当てられています。
パレットにはさまざまな種類があり、車の大きさに合わせて分けられているケースも珍しくありません。
万が一パレットを間違えて入庫し、車高がパレットの車高制限をオーバーする場合は、他の車が出庫する際に自分の車が傷つく可能性があります。
パレットの番号の誤りが大きな損害事故につながりかねないため、利用する際は細心の注意を払いましょう。
また、機械式駐車場では人身事故にも気をつけなければいけません。
装置のなかに人がいる状態で機械が誤作動したり、装置に人が巻き込まれたりなど、事故の原因はさまざまです。
命に関わる重大な事故が起こることもあるため、利用する際は注意が必要です。
機械式駐車場の種類
機械式駐車場のタイプは、主に以下の4つに分けられます。
- 垂直循環方式
- パズル式
- ピット式
- タワー式
垂直循環方式はパレットを垂直方向に移動させる仕組みです。
パレットをさまざまな方向に移動させるタイプはパズル式と呼ばれます。
ピット式は、上段の車を地上に入れ、下段の車を地下に格納するタイプです。
地上部分に格納した車を動かす場合、地下にある車を移動させる操作は不要です。
タワー式は、パレットの循環移動によって車を出し入れします。
賃貸マンションで採用されるケースは稀で、商業施設やホテルなどで導入されることが多いです。
賃貸マンションで機械式駐車場を選ぶ際の注意点
機械式駐車場は、どのスペースに駐車するのかによって入出庫のしやすさが異なります。
入出庫しやすい場所としにくい場所の駐車場代が同じ場合は、不公平感があるでしょう。
賃貸マンションで機械式駐車場を選ぶ際は、駐車スペースごとに駐車場代が設定されているかを確認することが大切です。
あわせて、機械式駐車場のメンテナンス体制にも注目してください。
メンテナンスがきちんとおこなわれていない場合、重大な事故につながる可能性があります。
トラブルが起こってから後悔しないように、メンテナンスの頻度などを事前に確認しておきましょう。
まとめ:賃貸マンションの機械式駐車場のメリット・デメリットを理解してライフスタイルに合った物件を選ぼう
機械式駐車場は、複数台の車を省スペースで格納できるのが特徴です。
「車上荒らしや盗難、近隣車両とのトラブルが起こるリスクが少ない」「車へのダメージが抑えられる」などのメリットがあります。
一方で、入出庫に時間がかかる点や、車のサイズ制限などがある点には注意が必要です。
賃貸マンションの機械式駐車場の仕組みを理解し、ライフスタイルに合わせて物件を選びましょう。
自分に合う物件を効率よく探したい方には、賃貸スタイルがおすすめです。
物件数が豊富なため、条件を満たす賃貸マンションが見つかるでしょう。