大家さんに何らかの都合が発生すると、賃貸物件の解約を迫られることがあります。
しかし、入居者に過失がなければ、大家さんの事情が正当なものでも立ち退き通知に強制力はありません。
とはいえ、申し入れを断ると大家さんとの関係悪化などにつながりかねないため、立ち退きに応じるケースが多いです。
立ち退きを決めたら、負担なく引っ越すために立ち退き料の交渉をおこないましょう。
この記事では、大家さんから立ち退きを告げられた際の基礎知識や対処法をまとめます。
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大家さんは強制的に解約を告げられる?
結論からいえば、大家さんは入居者に対して強制的に解約を告げることはできません。
大家さんが入居者に解約を求める場合は、原則として解約の6ヵ月前までに告知しなければならないと決められています。
また、立ち退きを通知できるのは、解約に際して正当な事由があると認められた場合のみです。
これらは借地借家法の第二十七条・二十八条で定められています。
借地借家法によると、立ち退きの必要性が認められる理由がなければ大家さんが一方的に契約を解除することはできません。
大家さんが立ち退きを通知する主な目的
上述のとおり、大家さんが入居者に立ち退きを要求する場合はもっともな理由が必要です。
大家さんが立ち退きを通知する主な目的には、大家さんの都合によるパターンと、入居者の契約違反によるパターンの2つがあります。

建物の老朽化
大家さんが入居者に立ち退きを求める理由として、建物の老朽化が挙げられます。
一般的な目安では、建築時から30年が経過すると建物の老朽化が進行し、耐震性などに問題が出てくるケースが多いです。
例えば、築年数が経過していて倒壊の恐れがある物件や、新耐震基準法を満たしていない物件などは建物の補強が必要でしょう。
このような老朽化による建物の建て替え・補強は、立ち退きを要求する正当な理由と認められやすいです。
ただし、軽微な修繕で修復できると判断された場合は、正当な理由として認められないこともあります。
建物の売却
賃貸に出している建物を売却するために、大家さんが解約を申し入れるケースもあります。
例えば、大家さんが金銭的な問題を抱えており、賃貸に出している物件を売却するしかないような状況では、立ち退きを求める正当な理由と認められやすいでしょう。
入居者の契約違反
大家さんの都合によるパターン以外に、入居者の契約違反によって大家さんが立ち退きを申し入れることがあります。
例えば「入居者以外の方を物件に住ませた」「物件を第三者に又貸しした」などが発覚すると、立ち退きの申し入れが認められる可能性が高いです。
ほかにも、入居者が家賃を滞納している場合も正当な理由に当てはまります。
特に、お金に困っているわけではないのに家賃を払わない場合や、家賃の支払いに関する交渉を無視し続ける場合などは、強制退去させられることも少なくありません。
一方で、失業や病気などが理由で家賃の支払いが難しいケースでは、大家さんの正当な理由でも立ち退きの要求が却下されることもあります。
家賃の滞納だけではなく、入居者が以下のような迷惑行為をおこなった場合は立ち退きを要求するもっともな理由と認められやすいです。
- 騒音・悪臭などの近隣トラブルを起こした
- 大家さんや住民に暴力を振るった・脅迫した
- ペット飼育禁止の物件でペットを飼っていた
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立ち退きの通知がきた場合の対処法
大家さんから立ち退きを要求されても、入居者に過失がなければ通知の内容に強制力はありません。
ここでは、立ち退きの通知がきた場合の具体的な対処法を解説します。
立ち退き通知書の内容を確認する
大家さん側に正当な理由があった場合でも、入居者にとっては突然の立ち退き請求に納得がいかないこともあるでしょう。
大家さんから立ち退きを要求されたら、まず立ち退き通知書の内容をよく確認することが大切です。
立ち退き通知書には、大家さんがなぜ解約を求めているのかが記載されています。
立ち退き通知書が届いたからといって慌てず、大家さん側にもっともな事情があるかを確認したうえで、立ち退きに応じるか検討するのが賢明です。
その際に必要なのが、物件の契約時に交わした賃貸借契約書です。
賃貸借契約書を手元に用意し、立ち退き通知書と見比べて正当な理由かどうか判断しましょう。
立ち退き料を請求できるか交渉する
大家さんの都合による解約では、一般的に大家さんに対して立ち退き料を請求できます。
賃貸物件を解約して退去すると、新しい物件の契約や引っ越しに際してさまざまな費用がかかるでしょう。
大家さんによる立ち退き料の支払いには、次の物件に移り住むための費用を入居者の代わりに負担するという意味合いがあります。
立ち退き費用の目安は、一般的に家賃の6ヵ月分です。
これは、賃貸物件を契約する際の初期費用は家賃5ヵ月分であることが多く、5ヵ月分+1ヵ月分の金額であれば費用をまかなえると考えられるためです。
ただし、立ち退き料の金額は法律で決まっているわけではないため、物件によって相場は異なります。
もし大家さんが提示した立ち退き料が引っ越し費用をまかなう金額として不足する場合は、立ち退き料を上乗せできないか交渉しましょう。
まとめ
大家さんに正当な理由があっても、入居者に過失がある場合を除いて、入居者の合意がなければ立ち退きを強制されることはありません。
とはいえ、立ち退きの要求に応じないほうがデメリットになるケースは多いです。
建物が老朽化していれば住んでいる間に倒壊する恐れがありますし、立ち退きの要求を断ることで大家さんとの関係が悪化することも考えられます。
大家さんの都合で賃貸契約を解約することになった場合は、立ち退き料を請求できます。
新しい物件の契約や引っ越し費用をまかなえるように納得のいく金額を交渉しましょう。
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