賃貸物件の入居審査では、収入や勤務状況が重要な判断材料になります。しかし、「どれくらいの年収が必要なのか」「どんな書類を準備すればよいのか」など、不安を感じる方も多いのではないでしょうか。
この記事では、賃貸審査で見られる収入の目安や必要書類、審査をスムーズに進めるためのポイントをわかりやすく解説します。
転職直後の方や初めて部屋探しをする方も、ぜひ参考にしてください。
ライター|F.A
大手不動産グループで17年間、現場実務から本社マーケティング、子会社の代表取締役まで経験。2023年に独立しコンサルティング会社を設立。現在は生成AIやデジタル戦略を活かし、不動産や飲食、広告など幅広い業界の成長を支援している。
目次
賃貸の入居審査とは?仕組みと流れを知っておこう
賃貸物件を借りる際には、入居前に「入居審査」が行われます。
審査と聞くと難しく感じるかもしれませんが、家賃の支払い能力や入居者としての適性を確認するための一般的な手続きです。
事前に審査の目的や確認されるポイントを理解しておけば、必要な準備をスムーズに進めることができます。
入居審査の目的とチェックされる3つのポイント
入居審査は、大家さんや管理会社、保証会社が「安心して物件を貸せる相手か」を確認するためのプロセスです。主に次の3つのポイントがチェックされます。
収入と家賃のバランス
毎月の家賃を無理なく継続して支払えるかどうかを確認します。入居審査では特に重視される項目です。
支払い状況や契約履歴
保証会社や契約内容によっては、過去の家賃やクレジットカードなどの支払い状況が確認されることがあります。
入居者としての適性
申込内容に不備がないか、近隣住民とトラブルなく生活できそうかなども判断材料の一つです。
なかでも重要視されるのは、収入と家賃のバランスです。収入に対して無理のない家賃設定であれば、過度に不安を感じる必要はありません。
審査に関わるのは?
賃貸の入居審査は、一般的に次の3つの会社や人が段階を追って行います。
不動産会社(仲介会社)
物件探しの窓口となる会社です。提出された申込書に書き漏らしがないか、必要な書類が揃っているかを最初に確認します。
家賃保証会社
最近は連帯保証人の代わりに利用を求められるケースが増えています。独自の基準で、家賃の支払い能力や過去の支払い履歴などを審査します。
管理会社・大家さん
物件の貸し手側として、仕事内容や収入などを確認し、最終的な入居の可否を判断します。
物件によって「保証会社と大家さん」の二者だけの場合もあれば、三者すべての審査が必要な場合もあります。どのパターンの審査になるかは、不動産会社の担当者に確認しておくとスムーズです。
入居審査に落ちる割合はどのくらい?
東京大学空間情報科学研究センターが公表した調査データ(「民間賃貸住宅市場における入居審査と家賃滞納」)によると、入居審査の全体的な通過率は約82.8%でした。数字上は、10人のうち1〜2人が審査に通らなかったことになります。
なお、単身世帯の通過率は約83.6%、夫婦世帯では約88.7%という結果も出ています。
正社員として勤務し、収入に見合った家賃の物件を選んでいれば、審査に通らない確率は5〜10%程度とそれほど高くありません。
ただし、自営業やフリーランス、水商売など収入形態が会社員と異なる職種の場合は、収入の安定性や継続性についてより慎重に確認されることがあります。
そのため、勤務先や収入が安定している会社員と比べて、審査のハードルが高いと感じるケースも少なくありません。
参考:民間賃貸住宅市場における入居審査と家賃滞納|東京大学空間情報科学センター
もし審査に落ちてしまっても、そこで諦める必要はありません。保証会社を変更したり、親族による「代理契約」に切り替えたりすることで、再審査に通るケースは多々あります。万が一落とされたときの対応策を以下の記事で詳しく解説しています。
関連記事:入居審査に落ちる確率はどれくらい?落ちたときにやるべきことも解説
賃貸の入居審査で求められる年収目安は「家賃の36倍」?
不動産業界で広く使われている年収の基準は、「家賃の36倍以上の税込年収」です。
これは月収に換算すると「家賃が月収の約3分の1(約33%)以内」に収まる計算になります。たとえば、家賃7万円の物件であれば、年収の目安は約252万円(月収約21万円)がひとつの基準です。
家賃帯ごとの年収と月収の目安は次の通りです。
| 家賃 | 必要な税込年収(目安) | 必要な税込月収(目安) |
|---|---|---|
| 5万円 | 約180万円 | 約15万円 |
| 6万円 | 約216万円 | 約18万円 |
| 7万円 | 約252万円 | 約21万円 |
| 8万円 | 約288万円 | 約24万円 |
| 9万円 | 約324万円 | 約27万円 |
| 10万円 | 約360万円 | 約30万円 |
| 12万円 | 約432万円 | 約36万円 |
| 15万円 | 約540万円 | 約45万円 |
| 20万円 | 約720万円 | 約60万円 |
この目安を参考にすれば、自分の収入に対して審査に通りやすい家賃帯をスムーズに把握できます。
「手取り」ベースで考えよう
審査そのものは税込年収で判断されるケースが多く見られますが、毎月の生活費に充てられるのは手取り額です。
食費や光熱費、通信費などを考慮すると、家賃が手取りの3分の1を超えると日々のやりくりに余裕がなくなってしまうことがあります。
生活にゆとりを持ちたい場合は、家賃を手取り月収の25〜30%に抑えるのがおすすめです。
たとえば、手取り月収が22万円であれば、家賃を5.5万〜6.6万円の範囲に収めることで、毎月の生活に無理が出にくくなります。
審査に通ることだけでなく、入居したあとの暮らしの安定も考えて家賃を設定するのがポイントです。
ハイグレードな物件は「家賃の40倍」が基準になるケースも
デザイナーズマンションやタワーマンションといった一部の高額な物件では、通常よりも審査基準が上がることがあります。
管理費や維持費が高めに設定されているほか、一定の入居基準を設けたいという貸し手側の意向が反映されるためです。こうした物件では「家賃の40倍以上の年収」を求められるケースがあります。
例えば、家賃15万円のハイグレード物件の場合、年収600万円(40倍)がひとつの目安になります。36倍の基準である540万円では審査の判断が分かれることもあるため、あらかじめ基準が高めに設定されている可能性を考慮しておくと安心です。
変動のあるボーナスや歩合給の扱いには注意
年収を計算する際、賞与(ボーナス)や歩合給を含めることは一般的です。しかし、ボーナスは会社の業績によって変動することがあり、歩合給も月ごとに増減する可能性があります。
これらを大きな前提として家賃を決めてしまうと、収入が下がった時期に家計への負担が重くなってしまいます。
審査の際も、保証会社や管理会社は「毎月安定して入る固定給」を重視して確認する傾向があります。
ボーナスや歩合給に頼りすぎず、基本給をベースにして家賃の上限を決めるのが、確実なお部屋探しのコツです。
目先の審査基準だけでなく、自分の給与から何が引かれ、最終的にいくらの家賃なら生活に困らないのか、以下の記事で手取り別の『適正家賃早見表』をまとめました。
関連記事:【年収・手取り別】適正家賃の早見表を紹介!給与から引かれる要素も解説
収入証明書として何を提出するべき?書類の種類と入手方法
入居審査で提出を求められる「収入証明書」とは、特定の一枚の書類を指す言葉ではありません。
申込者の収入を客観的に証明できる書類の総称であり、自身の働き方や状況に合わせて適切なものを選んで提出します。
ここでは、代表的な収入証明書の種類とそれぞれの特徴を解説します。
【会社員・公務員の場合】源泉徴収票や給与明細
会社員や公務員の方にとって最も一般的な収入証明書は「源泉徴収票」です。毎年12月から翌年1月頃に勤務先から配布される書類で、年収額や税金額が記載されています。審査において非常に信頼性が高く、これがあれば手続きがスムーズに進みやすいのが特徴です。
源泉徴収票が手元にない場合は、「直近3ヶ月分の給与明細」で代用できるケースもあります。給与明細を提出する際は、勤務先名と支給額が明確に記載されているか確認しましょう。
なお、物件や管理会社によっては、より公的な課税証明書などの提出を合わせて求められることもあります。
【自営業・フリーランスの場合】確定申告書の控え
自営業やフリーランスの方は、確定申告書の控え(税務署の受付印があるもの、またはe-Taxの送信票の控え)が主な収入証明書となります。一般的には、確定申告書に加えて「青色申告決算書」や「収支内訳書」をセットで用意します。
確定申告書には売上だけでなく経費の内訳なども記載されるため、収入の実態を正確に伝えることができます。
もし事業を始めたばかりで書類の手配が難しい場合は、取引先との契約書や発注書、これまでの実績がわかる資料などを補足として添えることで、仕事の状況を説明しやすくなります。
【市区町村が発行する公的書類】所得証明書・課税証明書
市区町村の窓口やマイナンバーカードを使ったコンビニ交付などで取得できる「所得証明書」や「課税証明書」は、前年1年間のすべての所得が記載された公的な書類です。副業の収入がある方や、年の途中で転職した方でも、すべての所得を1枚で証明できるメリットがあります。
注意点として、新年度の証明書(前年分の所得に基づくもの)は、多くの自治体で毎年6月頃にならないと発行できません。
例えば春先(3月〜4月頃)にお部屋探しをする場合は、前々年の所得に基づいた証明書が最新となるケースがあるため、事前に不動産会社へ確認しておくと安心です。
【転職直後・就職前の場合】雇用契約書・内定通知書
転職したばかりで新しい職場での源泉徴収票がない場合や、これから就職・転職を控えていて現在の収入実績がないという場合は、新しい勤務先の「雇用契約書」や「内定通知書」が収入証明書の代わりになります。これらの書類に記載されている見込みの給与や年収ベースで審査が行われます。
用意する際は、会社の押印がある正式な書面であることを確認しましょう。すでに新しい職場で数ヶ月分の給与を受け取っている場合は、その分の給与明細も合わせて提出すれば、より確実な証明になります。
収入証明書の入手先と取得にかかる時間の目安
お部屋探しの段階でスムーズに動けるよう、代表的な書類の発行元と手に入るまでの目安をまとめました。
| 書類名 | 発行元 | 取得にかかる目安 |
|---|---|---|
| 源泉徴収票 | 勤務先 | 依頼後 数日~1週間 |
| 給与明細(直近3カ月分) | 勤務先 | 手元に保管していれば即日 |
| 確定申告書の控え | 自分で保管 / 税務署 | 即日~数日 |
| 所得証明書・課税証明書 | 市区町村役場 | 窓口なら即日、郵送は1~2週間 |
| 納税証明書 | 税務署 | 窓口なら即日、オンラインは数日 |
| 雇用契約書・内定通知書 | 転職先企業 | 依頼後 数日 |
物件が決まってから書類を探し始めると、審査の開始が遅れてしまう原因にもなります。
候補の物件を絞り込む段階で、必要な書類が手元にあるかあらかじめ確認しておきましょう。
それぞれの書類の発行場所・取得方法や、書類が手元にない場合の対処法について詳しくまとめた以下の記事もぜひご覧ください。
関連記事:賃貸契約に必要な収入証明書とは?取得方法や書類がない場合の対処法
転職したばかりでも賃貸の入居審査に通る?勤続年数が短い場合のポイント
勤続年数は要素の一つ。総合的に判断される
入居審査において、勤続年数は「収入の安定性」を測るための一つの目安になります。
ただし、勤続年数が1年未満だからといって、それだけで審査に通らないわけではありません。審査は年収や職種、雇用形態、保証人の有無などを合わせて総合的に判断されます。
需要の高い職種や、これまでの経験を活かしたキャリアアップの転職であれば、勤続年数が短くても今後の安定性を見込んでもらえるケースが多いでしょう。
一方で、短期間で何度も転職を繰り返している場合は、少し慎重に確認されることもあるため、事前に事情を説明できるようにしておくと安心です。
転職直後の入居審査をスムーズに進める5つのコツ
転職したばかりの方が審査を受ける際は、次のような工夫を組み合わせることで、支払い能力をしっかりと伝えることができます。
収入に見合った家賃帯を選ぶ
新しい職場での月収に対して、家賃が3分の1以下に収まる物件を選ぶのが基本です。転職直後は賞与などを除いた基本給をベースに計算し、無理のない予算設定を心がけましょう。
雇用契約書と直近の給与明細を合わせて提出する
まだ源泉徴収票がない時期は、見込み年収が書かれた「雇用契約書」と、実際に支給が始まっていることを示す「直近の給与明細」をセットで出すことで、書類の信頼性が高まります。
預貯金の残高を提示する
手元にある程度の蓄えがある場合は、銀行口座の残高証明書や通帳のコピーを提示するのも有効です。物件によっては、まとまった預貯金があることで柔軟に対応してもらえるケースもあります。
安定した収入のある連帯保証人を立てる
親族の中に正社員などで安定して働いている方がいれば、連帯保証人を引き受けてもらうことで審査が有利に進みやすくなります。保証会社の利用が必須の物件でも、保証人を立てることで安心感に繋がります。
前職の源泉徴収票を参考資料として添える
前職で一定の収入実績があった場合、その源泉徴収票を合わせて提出するのも一案です。「これまでも継続して働いてきた実績がある」という証明になり、プラスの判断材料として見てもらえることがあります。
以下の記事では、転職直後やフリーランスなど「従来の収入証明書が出せない場合」のお部屋探しについて解説しています。証明書代わりに使える書類やお部屋探しのコツをチェックしておきましょう。
関連記事:転職直後・フリーランスの賃貸物件探し。収入証明書なしでも大丈夫?
内定が出ていて、まだ入社していない場合
採用は決まっているものの入社前という段階でお部屋探しをする場合は、新しい勤務先から発行された「内定通知書」や「採用通知書」を提出しましょう。これらに見込みの給与や年収が明記されていれば、多くの物件で収入証明の代わりとして受け付けてもらえます。
ただ、入社前の段階では実績としての収入がまだ確定していないため、通常よりも少し審査が慎重になることがあります。
その場合は、手元の預貯金を提示するか、安定した収入のある親族に「代理契約(親族の名義で契約してもらう方法)」をお願いすることも一つの手です。
以下の記事では、内定者や新卒の社会人が直面しやすい審査の悩み・不安をはじめ、必要な書類リスト、万が一審査に落ちてしまった場合の具体的な対処法までわかりやすく解説しています。
関連記事:新卒の社会人は賃貸の入居審査に通りづらいって本当?落ちる原因と対処法
年収が不安でも諦めない!入居審査で検討できる6つの方法
希望する物件の家賃に対して年収の目安が足りない場合でも、入居を諦めなければならないとは限りません。
収入以外の状況や提出書類、契約方法などを工夫することで、審査を進められるケースもあります。
ここでは、入居審査に不安があるときに検討したい6つの方法をご紹介します。
家賃を見直して物件を探し直す
最も確実で無理のない方法です。家賃を1万円下げるだけで、必要な年収の目安は約36万円下がります。
「駅から少し離れたエリアにする」「築年数の条件を広げる」など、譲れない条件の優先順位を整理することで、予算を抑えつつ希望に合う物件が見つかりやすくなります。
同居人の収入を合算して申し込む
二人暮らしや同棲を予定している場合、同居するパートナーの収入を合わせる「収入合算」で審査を受けられる物件があります。
たとえば、一人分の年収が基準に届かなくても、二人の年収を合わせることで、上の価格帯の物件を選択肢に入れることが可能になります。ただし、合算の可否や条件は物件によって異なるため事前の確認が必要です。
預貯金審査を相談する
現在の収入は基準に満たないものの、手元にまとまった貯蓄がある場合に有効な方法です。
通帳のコピーや銀行の残高証明書を提出し、家賃の2年分以上の預貯金があることを示すことで、現在の年収にかかわらず審査を受け付けてもらえるケースがあります。
安定した収入のある連帯保証人を立てる
会社員や公務員など、定期的な安定収入のある親族に連帯保証人をお願いする方法です。
申込者本人の年収が目安に届かない場合でも、しっかりとした保証人が後ろ盾となることで、支払い能力に問題がないと判断され、審査に通るケースがあります。
自分の状況に合った物件を紹介してもらう
家賃保証会社によって、確認する項目や審査の進め方は異なります。クレジットカードなどの支払い履歴を重視する場合もあれば、現在の収入状況や提出書類をもとに総合的に判断する場合もあります。
入居審査に不安がある場合は、不動産会社の担当者へ事前に相談しておきましょう。
収入状況や勤務形態を伝えることで、必要書類や申込時の注意点についてアドバイスを受けられるほか、自分の状況に合った物件を紹介してもらえる可能性があります。
親族による代理契約を検討する
自身での契約が難しい場合の選択肢として、安定した収入がある親や兄弟に「契約者」になってもらい、自分は「入居者」として住む「代理契約」という形があります。
就職・転職の直後の方や、収入が不安定な時期によく使われる方法ですが、代理契約ができるかどうかは大家さんの意向によるため、事前の確認が欠かせません。
賃貸の入居審査で注意したいポイントと事前にできる対策
入居審査では、収入そのものの金額だけでなく、いくつかの要素が総合的に確認されます。
事前に確認されやすいポイントを把握しておくことで、お部屋探しをスムーズに進めるための準備や対策を立てやすくなります。
入居審査で不利になることがある5つのケース
入居審査では収入だけでなく、申込内容やこれまでの契約・支払い状況なども総合的に確認されます。以下のようなケースでは、審査で慎重に判断されることがあります。
収入に対して家賃が高すぎる
収入に対して家賃の負担割合が大きい場合、継続して家賃を支払えるかどうかを慎重に確認されることがあります。希望条件にこだわりすぎず、無理のない家賃設定を意識することが大切です。
過去に支払いの延滞がある
クレジットカードやローン、家賃などの支払いで長期間の延滞がある場合、審査に影響することがあります。保証会社によって確認する内容は異なりますが、日頃から支払い管理を徹底しておきましょう。
勤続年数が短い、または転職直後である
転職や独立直後は、現在の収入状況や雇用の継続性を確認するため、追加書類の提出を求められることがあります。給与明細や雇用契約書などを準備しておくと安心です。
申込内容に誤りや不一致がある
年収や勤務先などの情報に誤りがあると、確認作業に時間がかかったり、審査に影響したりする場合があります。申込書は正確な内容で記入しましょう。
連絡が取れない、必要書類の提出が遅れる
本人確認や勤務先確認がスムーズに進まない場合、審査期間が長引くことがあります。不動産会社からの連絡には速やかに対応し、必要書類は早めに提出することが大切です。
信用情報に不安がある場合はどうする?
過去のクレジットカードやローンの利用状況を確認したい場合は、CIC(シー・アイ・シー)やJICC(日本信用情報機構)などの信用情報機関へ情報開示を請求できます。
オンラインや郵送で手続きできるため、入居審査に不安がある方は事前に確認しておくとよいでしょう。自身の状況を把握しておくことで、物件選びや保証会社の選択を検討する際の参考になります。
お部屋探しから審査通過までの流れとスケジュール
入居審査をスムーズに進めるためには、お部屋探しから鍵の引き渡しまでの全体像をあらかじめ把握し、いつ・何が必要になるかを逆算して動くことが大切です。
1.物件探しと予算の絞り込み
まずは不動産ポータルサイトや不動産会社の窓口で、候補となる物件を探します。
この段階で、ご自身の収入と家賃のバランスを照らし合わせ、無理なく審査に通りやすい家賃帯(税込年収の36倍、または手取りの25〜30%以内)に条件を絞り込んでおくことが、その後の手続きをスムーズにするコツです。
2.内見と申し込み
気になる物件が見つかったら、実際に現地を内見します。室内の状態や周辺環境を確認し、納得がいけば申し込みへと進みます。
入居申込書には、氏名や生年月日のほか、勤務先、年収、勤続年数、緊急連絡先などを記載します。確認作業をスムーズに進めるためにも、すべての項目を正確に記入しましょう。
3.必要書類の提出(申し込みと同時)
申し込みの手続きと合わせて、本人確認書類(運転免許証やパスポートなど)や、働き方に合わせた収入証明書を提出します。
このタイミングで書類に不足や不備があると、審査の開始自体が後ろにズレてしまうため、物件を探す段階であらかじめ手元に揃えておくのが賢明です。
4.入居審査の実施
提出された書類をもとに、保証会社や管理会社、大家さんによる審査が行われます。期間は通常3日〜1週間ほどですが、書類の確認状況や時期によっては2週間ほどかかる場合もあります。
審査の過程で、保証会社から勤務先へ在籍確認の電話が入ることがあるため、いつでも対応できるよう心づもりをしておくと安心です。
5.契約手続きと初期費用の支払い
審査を無事に通過した後は、宅地建物取引士から物件に関する「重要事項説明」を受け、賃貸借契約を締結します。あわせて、敷金・礼金、仲介手数料、前家賃、保証料などの初期費用を期日までに振り込みます。
6.鍵の引き渡しと入居
契約手続きと入居費用の支払いがすべて完了すると、入居日の当日に不動産会社の窓口などで鍵が引き渡されます。これで新しい生活のスタートとなります。
知っておきたい入居審査のポイント
審査の仕組みや業界の傾向をあらかじめ知っておくと、お部屋探しの進め方を工夫でき、よりスムーズに手続きを進めることができます。
不安な点は不動産会社へ事前に相談する
入居審査に不安がある場合は、申込前に不動産会社へ相談しておくことをおすすめします。
例えば、転職直後や独立したばかりの場合でも、状況に応じて必要な書類や申込時の注意点についてアドバイスを受けられることがあります。
事前に事情を共有しておくことで、スムーズに手続きを進めやすくなるでしょう。
お部屋探しの時期によって募集状況は変わる
賃貸市場は時期によって動きが異なります。
進学や就職、転勤が多い時期は申込件数が増える一方、それ以外の時期は比較的選択肢が広がることもあります。
ただし、入居審査の基準は物件や管理会社、保証会社ごとに異なるため、時期によって一律に審査の難易度が変わるわけではありません。
保証会社ごとに確認項目は異なる
家賃保証会社によって、審査で確認する内容や判断基準は異なります。
クレジットカードやローンの利用状況を確認する会社もあれば、現在の収入状況や提出書類をもとに総合的に判断する会社もあります。
どの保証会社が利用されるかは物件ごとに決まっている場合が多いため、不安がある場合は不動産会社へ確認してみるとよいでしょう。
各会社が具体的にどの情報をチェックしているのか、詳しい審査の仕組みを以下の記事で解説しています。
関連記事:賃貸保証会社の審査は何を調べているの?審査に落ちる人の特徴や落ちた後の対処法
外国籍の方や高齢者が申込時に意識したいポイント
外国籍の方は、在留資格や在留期間を確認できる書類を準備しておくことで、手続きをスムーズに進めやすくなります。
また、高齢者の場合は、年金受給状況や緊急連絡先、見守りサービスの利用状況などを確認されることがあります。
必要な書類や条件は物件によって異なるため、事前に不動産会社へ相談しながら進めると安心です。
外国籍の方や、高齢の方の入居審査の懸念点やその対策については、以下の記事で詳しく解説しています。
関連記事:外国人の方は賃貸を契約するのが難しい?契約する際のポイントを解説
関連記事:高齢者は賃貸物件が借りにくいのは本当?借りやすくなるポイントをご紹介
まとめ|収入に合わせた家賃選びと丁寧な準備を
賃貸の入居審査は、事前に仕組みを理解していれば必要以上に心配することはありません。「家賃の36倍の年収」という基本的な目安を押さえ、必要な書類をしっかりと揃えて対策を立てることで、多くの方がスムーズに手続きを進めることができます。
改めて、審査を円滑に進めるための重要なポイントを整理します。
家賃は収入から逆算する
まずはご自身の税込年収を確認し、それを36で割った金額を家賃のひとつの上限目安とします。毎月のやりくりにゆとりを持たせたい場合は、手取り月収の25〜30%に収まる物件を検討するのがおすすめです。
働き方に合わせて書類を準備する
会社員であれば源泉徴収票や直近の給与明細、フリーランスや自営業であれば確定申告書の控えなど、ご自身の状況に応じた収入証明書をお部屋探しの段階から手元に用意しておきましょう。
必要に応じて補足資料を用意する
転職直後や収入面に不安がある場合は、雇用契約書や預貯金残高を確認できる書類などを提出することで、現在の状況を説明しやすくなる場合があります。必要に応じて、不動産会社へ相談しながら準備を進めましょう。
お部屋探しは、進学や就職、結婚や独立など、人生の大きな節目に重なることが多い大切なイベントです。
新しい住まいで安心して心地よいスタートを切るためにも、審査の仕組みを正しく把握し、余裕を持った準備を進めていきましょう。
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