賃貸物件の契約と一口にいっても、複数の契約方法があります。
各契約方法について正しく理解しておかないと、契約時や退去時にトラブルになる可能性もあるので注意が必要です。
この記事では、定期建物賃貸借契約について詳しく解説します。
これから賃貸契約をする予定のある方だけでなく、現在賃貸物件を契約している方もぜひ参考にしてください。
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定期建物賃貸借契約とは?
定期建物賃貸借契約とは、期間の定めがある賃貸契約で、更新が認められず期間の満了を持って契約が終了する形態です。
契約を結ぶ際には、口頭での契約は認められず、必ず公正証書などの書面を用いる必要があります。
契約の際に賃貸人は、更新がないことと期間満了となれば契約が終了することを、書面で説明しなくてはなりません。
定期建物賃貸契約は、将来的に大規模な修繕の予定があるが、一時的に賃貸に出したい場合や、ウィークリーマンションなどの利用期間の決まっている賃貸物件に用いられることが多いです。
>>賃貸借契約書の正しい読み方と注意点を項目別にわかりやすく解説
普通借家契約と定期建物賃貸契約の違い
まずは、普通借家契約と定期建物賃貸契約の違いを見ていきましょう。
ここでは、二つの契約の違いを表で各項目ごとにわかりやすくお伝えします。
| 普通借家契約 | 定期建物賃貸契約 | |
|---|---|---|
| 賃貸借の目的 | ・事業用、居住用のどちらも可能 | ・事業用、居住用のどちらも可能 |
| 契約期間 | ・期間の制限はない ・1年に満たない契約は、期間を定めのない賃貸借契約となる |
・期間の制限はない ・1年に満たない契約も有効 |
| 契約成立の条件 | ・書面による契約 ・口頭での契約も可 |
・公正証書などによる書面での契約が必要(公正証書でなくても書面であれば可) ・書面に「契約の更新なし、期間満了により契約が終了する」旨を記載し、賃借人へ説明する必要がある |
| 賃料増減額請求権等 | ・当事者は賃料額の増減を請求できる ・賃料の増額をしない旨の特約がある場合は、その定めのとおり従う |
・当事者は賃料額の増減を請求できる ・賃料額の改定を可能とする特約がある場合は、その定めのとおり従う |
| 契約更新 | ・契約更新あり ・当事者は、正当事由があれば更新拒絶も可能 |
・契約更新なし、期間満了により契約は終了する |
| 解約・途中解約権 | ①期間の定めがない場合 ・賃貸人からの解約 └6ヵ月前に通知し、正当事由がある限り可能 ・賃借人からの解約 └3ヵ月前の申し入れが必要、特約がある場合は、その定めのとおり従う ②期間の定めがある場合 ・原則、途中解約は不可、特約がある場合は、その定めのとおり従う ・賃貸人からの解約には正当事由が必要 |
・賃貸人からの解約は原則不可(正当事由があれば可能) ・居住用(床面積200平方メートル未満)の場合、転勤や介護などの賃借人のやむを得ない事情により、生活の拠点として利用できなくなった場合は途中での解約可能 ・特約がある場合は、その定めのとおり従う |
| 再契約 | ・再契約可能 | ・再契約可能 ・更新不可のため、契約後に再契約をして対応する |
普通借家契約と定期建物賃貸契約の大きな違いは、契約成立の条件です。
普通借家契約は口頭での契約も可能ですが、定期建物賃貸契約の場合、必ず書面での契約が必要となります。
また契約更新に関しては、普通借家契約は基本的に契約更新ができますが、定期建物賃貸契約の場合、契約更新はなく、期間満了を持って契約終了となります。
解約・途中解約権については、普通借家契約は期間の定めがない場合、正当事由があれば6ヵ月前に通知すれば賃貸人からの解約が可能です。
一方で定期建物賃貸契約の場合は、正当事由があれば可能ですが基本的には賃貸人からの解約は原則不可となっています。
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定期建物賃貸借契約の特徴
ここでは、定期建物賃貸借契約の特徴をご紹介します。
さきほどの普通借家契約との違いをふまえて、詳しくみていきましょう。
契約期間が定められている
1年に満たない契約期間の場合、期間の定めのない契約となるのが普通借家契約です。
しかし一方で、定期建物賃貸借契約は、契約期間が1年に満たない場合も、指定の期間での契約が有効です。
定期建物賃貸借契約は、賃貸人が定める契約期間に制限はありませんが、契約の際に建物を使用できる契約期間が決まっています。
そのため、契約期間が満了となった場合には契約が終了します。
契約更新はできない
定期建物賃貸借契約の大きな特徴は、契約更新ができない点です。
契約当初から契約期間が定められているため、契約の更新はできません。
1年以上の定期建物賃貸借契約の場合、賃貸人から賃借人へ期間満了が近づいている旨の通知をしなければなりません(契約終了となる1年前から6ヵ月前までの間)。
その通知をしなかった場合、賃借人に対抗できない可能性が高くなります。
原則、契約の更新は認められていませんが、双方の合意がある場合には、契約終了後に再契約も可能です。
賃料増減額請求権は認められている
長期間に渡ることの多い賃貸借契約は、契約期間中に建物の劣化や立地条件などが変わってしまうことも少なくありません。
定期建物賃貸借契約でも、賃料増減額請求権が認められています。
近隣の賃貸物件の賃料よりも高い、賃料が不相応だと感じる場合には、賃料の増減を交渉できます。
ただし、契約時に賃料の改定に関する特約を交わしている場合は、その定めに従わなければなりません。
中途解約に関する規定に注意する
定期建物賃貸借契約は、契約途中での解約できません。
例外として、中途解約の特約がある、賃貸人に正当事由がある場合や、居住用の建物(200平方メートル未満)で、賃借人に転勤や家族の介護などのやむを得ない事情がある場合には、契約期間中でも解約が認められることもあります。
中途解約に関する特約は、賃借人にとって不利となる特約は無効です。
契約をする際には、特約もしっかりとチェックしておきましょう。
まとめ
定期建物賃貸借契約と普通借家契約の二つを比べてみると、いくつかの大きな違いがあることがわかります。
長期間住みたい賃貸物件の場合には、契約時に更新の有無があるかなども確認しておくことをおすすめします。
マンスリーマンションなどの短期契約賃貸住宅は、定期建物賃貸借契約が用いられていることが多いです。
契約を交わす際には、契約内容や特約など細かなところまでチェックしましょう。
曖昧な認識をなくすと、トラブルを未然に防ぐことにつながります。
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