転勤や進学などで全く土地勘がない地域に住む場合、大きな不安がつきものです。「どのエリアに住めば?」「治安や利便性は?」など、悩みは尽きません。
これから、土地勘がない場所で失敗しない住む場所の決め方のコツや世帯別のおすすめ物件タイプを解説します。
目次
土地勘のない地域で住む場所を決めるには?

土地勘がない場所での引越し先の決め方は、いきなり「この物件!」と決めるのが非常に困難です。ここでは住む場所の決め方を解説します。
まずはインターネットで情報収集し、エリアを絞る
住む場所の決め方の第一歩として、住むエリアの候補をいくつか絞り込みましょう。インターネットで収集できる情報は「家賃相場」と「安全性」です。
家賃相場を調べる
まずは自分の予算内で無理なく住めるエリアを絞ることが最優先です。勤務先や学校が決まっている場合、そこへ通える路線やバス停を軸に調べます。
「賃貸スタイル」では、人気の「市区町村」「駅・路線」がランキングで掲載されていて、地域と駅ごとの家賃相場一覧を見ることができるのでぜひご利用ください。
一般的に、都心やターミナル駅に近づくほど家賃は高くなり、離れるほど安くなります。また、各駅停車しか停まらない駅よりも、急行や快速が停まる駅の方が相場は高い傾向にあります。
「所要時間は少し延びても家賃を抑えたい」のか、「家賃は高くても利便性を優先したい」のか、自分の価値観と予算を照らし合わせながら、候補となる駅をピックアップしてみましょう。
ハザードマップを確認する
快適さや利便性も大切ですが、それ以上に重要なのが「安全性」です。特に土地勘がない場所では、どのようなリスクがあるか把握しづらいものです。
近年、水害や土砂災害が多発しているため、ハザードマップの確認は重要です。特に川の近くや、山の麓、海抜の低い土地を検討する場合は入念なチェックが必要です。
国土交通省が運営する「ハザードマップポータルサイト」や、各自治体(市区町村)のウェブサイトでは、以下の情報を確認できます。
| ハザードマップの種類 | 確認できること(特徴) |
|---|---|
| 洪水ハザードマップ | 付近の河川が氾濫した場合に想定される浸水深(水の高さ)。 |
| 土砂災害ハザードマップ | がけ崩れや土石流の危険性があるエリア。 |
| 内水氾濫ハザードマップ | 大雨で下水・側溝から水が溢れた場合の浸水エリア。 |
| 津波ハザードマップ | 海に近いエリアで、津波による浸水深や到達時間。 |
キーワード検索で客観的な評判を調べる
「安全性」を確保するには、災害エリアのほかに「治安の良さ」も地域を絞るために重要です。
「〇〇駅(地名)住みやすさ」で検索すると、実際に周辺に住んでいる人や不動産会社が書いたその街のレビューブログがたくさん出てきます。メリット・デメリットを掴むのに役立ちます。
「〇〇駅 治安」で検索すると、自治体や警察が公開している「犯罪発生マップ」や、地域の口コミサイトを確認し、客観的な安全性を調べましょう。
現地に行って周辺環境を確認する
インターネットで候補エリアを絞り込んだら、現地に足を運び、自分の目で周辺環境を確認します。ネット上の情報や写真だけでは分からない「街の空気感」や「実際の利便性」は、住んでからの満足度に直結する最重要ポイントです。
生活の利便性
まずは、日々の生活に欠かせない施設の確認です。
スーパーは、駅からの帰り道にあるか、物件からの距離は徒歩何分か、帰宅が遅い人は深夜営業の有無が重要です。コンビニは物件の近くにあると便利ですが、近すぎると夜間に騒音やたむろする人がいる可能性もあるので適度な距離感が理想です。
その他は、ドラッグストア、100円ショップ、銀行、郵便局、病院などが徒歩圏内にあると便利です。
自分のライフスタイルに必要なお店を考えてみましょう。
治安環境の確認
インターネットでも客観的な評判は調べられますが、治安の状況は実際に自分の目で見て徹底的に行いましょう。知らない土地で一人暮らしを始める場合や、ファミリー世帯にとっては特に重要です。
最も重要なのが、時間帯や曜日を変えて訪問することです。「昼間は静かな住宅街だったのに、夜は街灯が少なく真っ暗」「平日は静かだが、休日は近隣の商業施設や幹線道路のせいで騒がしい」など、住んでみて後悔しないために、できれば「昼」と「夜」の2回は確認しましょう。
駅やスーパーから物件までの道に、街灯が整備されているか。夜道が暗すぎないか。夜間でも適度な人通りがあるか。逆に、深夜まで騒がしい飲食店街が近くにないか。
ゴミが散乱していないか、落書きが多くないか。
街の清潔さは、そこに住む人のモラルの表れでもあります。また、近くに交番があると安心材料になります。
周辺を散歩してみる
地図上では分からなかった「住み心地」は、実際に歩いてみることで見えてきます。
坂道の有無や歩道の広さ、騒音、臭い、どんな人の層が多いか(ファミリー層、学生が多い、高齢者が多い)など自分のライフスタイルに合っているかどうか確かめましょう。
通勤や通学のアクセスのよさ

毎日のことだからこそ、通勤・通学アクセスは妥協できないポイントです。
所要時間
ネット検索の「駅から徒歩〇分」「現地までの距離〇km」だけを見てはいけません。
「物件から駅までの徒歩時間」+「電車の待ち時間」+「乗車時間」+「乗り換え時間」+「降車駅から勤務先・学校までの徒歩時間」
この「ドア・トゥ・ドア」の総時間で判断しましょう。時間がある方は実際に通勤先や通学まで実測してみてください。
ラッシュ時間の混雑度
可能であれば、実際に通勤・通学で使う時間帯の電車に乗ってみるのがベストです。
バス利用の場合は、バス停までの距離、本数、ラッシュ時の遅延も確認しましょう。
関連記事:賃貸物件の周辺環境、本当に大丈夫?住んでから後悔しない「現地調査」完全ガイド
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一人暮らし(学生・社会人)に向く住む場所と物件条件
住むエリアが決まったら、次は具体的な物件探しです。必要な間取りや設備、優先すべき条件は、ライフステージによって大きく異なります。
ここでは、知らない土地で一人暮らしになる学生や、仕事で転勤になった単身者向けの条件を解説します。
間取り
ワンルーム、1K、1DK、1LDKがおすすめです。寝る場所と食事の場所を分けたい人には1Kが人気です。
社会人で、ある程度ゆとりが欲しい、来客もあるという場合は1LDKも選択肢に入ります。
関連記事:一人暮らしにおすすめな間取りは?部屋作りのポイントやレイアウトをご紹介
治安と防犯面
オートロック、モニター付きインターホン、防犯カメラ、2階以上の部屋など、セキュリティ設備が充実している物件を選びましょう。前述の通り、夜道の明るさや人通りの確認も必須です。
関連記事:女性の一人暮らしでやるべき防犯対策と賃貸物件を選ぶポイント
生活利便性
コンビニや深夜営業のスーパーが近いと、帰宅が遅くなった時に非常に便利です。都心や車を持っていない方は、駅から徒歩10分以内が理想です。
関連記事:一人暮らしが選ぶ近くにあったらいいなと思う施設ランキング【アンケートデータあり】
インターネット環境
テレワークや学生にとってもインターネットの通信環境は必要な場合が多くあります。 回線工事ができていない物件や電波がつながりにくい物件が稀にありますので内見で必ず確認しましょう。
関連記事:インターネット無料の賃貸で発生するトラブルと対策を解説
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同棲(カップル・新婚)に向く住む場所と物件条件
知らない土地で同棲や新婚生活を安心して始めるための条件を解説します。
間取り
1LDK、2DK、2LDKがおすすめです。2人の時間を大切にしつつ、家賃も抑えたいなら、広いリビングのある1LDKが人気です。
生活時間帯が異なる、それぞれのプライベート空間が欲しいというカップルには、寝室を分けられる2LDKがおすすめです。
関連記事:同棲の部屋割りはどう決めればいい?決めるときのコツとおすすめの間取り
「2人入居可」を選ぶ
単身者用物件では、契約違反になるため同棲できません。必ず「2人入居可」または「ルームシェア可」の物件を選びましょう。
関連記事:二人入居不可の物件で同棲は違反?トラブルになる可能性
2人のアクセス
お互いの勤務先や学校へのアクセスを考慮する必要があります。「2人の通勤時間の合計が最も短くなる中間地点」にするか、「どちらかの職場(学校)の近くに合わせる」か、しっかり話し合って決めましょう。
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子育て世代(ファミリー)に向く住む場所と物件条件
お子様の成長と安全を最優先に考えた物件選びが必要です。
間取り
2LDK、3LDK〜がおすすめです。お子様の人数や年齢に合わせて選びましょう。小さいうちは2LDKでも十分ですが、成長して子供部屋が必要になることを見越して3LDKを選ぶ家庭も多くあります。
関連記事:子どもの笑顔が増える!ファミリー向け賃貸物件選びの完全ガイド
周辺環境
治安の良さや通学路の安全性(交通量、歩道の有無、危険な交差点がないか)は最重要です。
また、通学区となる幼稚園や小学校、中学校の評判や距離も確認しましょう。小児科、耳鼻科などの病院や、公園、児童館、図書館などが近くにあると子育てしやすい環境です。
収納スペースと設備
ベビーカー、おもちゃ、学用品、季節用品など、子供の成長とともに物は増えていきます。ウォークインクローゼットや押入れ、玄関収納など、収納が充実しているかチェックしましょう。
設備面では、料理をしながら子供の様子が見える「カウンターキッチン」は特に人気です。コンロが3口あるか、作業スペースは十分か、なども確認しましょう。
また、ベビーカーでの移動の際にエントランスや玄関前にスロープがあるか、エレベーターはあるか、玄関内にベビーカーを置くスペースがあるかなども重要です。
建物の防音性
子供の足音や泣き声が階下に響かないか、逆に響いてこないかの確認が必要です。防音性のある鉄筋コンクリート(RC)造が望ましいですが、1階の角部屋を選ぶという選択肢もあります。
自治体の支援
自治体によって、保育園の入りやすさ、医療費助成、子育て世帯向けの助成金などが大きく異なります。候補エリアの自治体サービスも比較検討しましょう。
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シニア層(高齢者)に向く住む場所と物件条件
シニア層は慣れた街で住むことがベストですが、安全で快適なセカンドライフを送るための条件を解説します。
間取り
1LDK、2DK、2LDKがおすすめです。広すぎると掃除や管理が負担になるため、コンパクトで効率的な間取りが好まれます。
バリアフリー
階段の上り下りは将来的に大きな負担になるので、1階またはエレベーター付きは必須条件です。室内の段差が少ないまたはスロープがある、廊下やトイレ・浴室に手すりが設置されているなど、バリアフリー仕様の物件が理想です。
関連記事:【決定版】高齢者の理想の物件探し完全ガイド|バリアフリーから介護連携まで失敗しない物件選びの極意
生活利便性
スーパー、病院(かかりつけ医)、役所、銀行などが徒歩圏内で完結するエリアが望ましいです。車を手放した後も生活できるかを想定しましょう。
また、万が一の時や、ちょっとしたサポートが必要な時に、家族や知り合いが駆けつけられる距離に住むと安心です。
関連記事:シニア層(高齢者)に聞いた!賃貸物件を借りるときに困ったことランキング【アンケートデータあり】
日当たりと静けさ
自宅で過ごす時間が長くなるため、日当たりが良く、静かで落ち着いた環境であることも生活の質に大きく影響します。
地域のコミュニティ
地域の公民館やサークル活動など、社会とのつながりを持てる施設が近くにあるかも確認できると良いでしょう。
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土地勘がない地域での物件探しを成功させるポイント

ここまで、情報収集の方法や世帯別の条件を見てきました。
しかし、これらすべてを自分一人で、土地勘がない場所で完璧に調べるのは、至難の業です。
失敗しないための最大のポイントは、「現地のプロ」を味方につけることです。
土地勘がなければまずは不動産会社に相談しよう
地元の不動産会社は、インターネット上には載っていない情報を持っています。
「土地勘がない」ことを伝えた上で、希望条件(予算、間取り、ライフスタイル、なぜその土地に来たのか)を詳しく話してみましょう。
プロの視点から具体的なアドバイスをもらうことで、自分では気づかなかったエリアの魅力や懸念点を知ることができ、エリア選定の精度が格段に上がります。次のようなアドバイスをもらえるはずです。
(例)
- 「治安を重視するなら〇〇駅の北口側がいいですよ」
- 「子育て世帯には、公園が多くて学校も近い〇〇エリアが人気です」
- 「あの通りは夜になると暗いから、女性の一人歩きは避けた方がいいです」
- 「駅前は便利だけど、週末は飲み屋街が騒がしいですよ」
- 「このエリアは坂が多いから、自転車移動は電動じゃないとキツイですよ」
- 「ここは一度、川が氾濫したことがあるのであまりおすすめしません」
関連記事:失敗しない!不動産会社選びの5つのポイントとは?理想の物件に出会うための必勝法
不動産会社紹介は「住まいの紹介サービス」へ!
「そうは言っても、いきなり現地の不動産会社に飛び込むのは不安……」「複数の不動産会社を回る時間もない…」
そんな方には、LINEやチャット、電話で相談できる「住まいの紹介サービス」の利用がおすすめです。
「住まいの紹介サービス」は、あなたの希望を丁寧にヒアリングし、中立的な立場で最適な不動産会社を提案してくれます。
- あなたの条件に合った、信頼できる現地の不動産会社へ代わりに問い合わせを代行してくれるので土地勘がなくても安心。
- 探すのが大変な学区や駅近の物件も代わりに探してくれるので時間や手間の短縮になる。
- 複数の不動産会社へ問い合わせてくれるから、会社ごとの対応の違いが分かり、自分との相性の良し悪しが比較できる。
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まとめ
土地勘がない地域での住まい探しは、まずネットで家賃相場、ハザードマップ、治安などの情報を収集しエリアを絞ります。次に現地を訪問し、スーパーなどの利便性、昼夜の治安や雰囲気、駅までの道のり、通勤・通学の総時間を実際に確認することが重要です。
また、一人暮らし、ファミリー、シニアなど世帯別に優先すべき条件を踏まえ、あなたのライフスタイルやライフステージに合わせてエリアと物件を検討しましょう。
土地勘がない地域での住まい探しは、とても不安だと思います。
しかし、一人で抱え込まず、住まいの紹介サービスを賢く利用し、現地のプロの力も借りながら、効率的かつ確実に「失敗しない」住まい探しを進めましょう。
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お引越しやお部屋探しの予定がある方はぜひご活用ください。
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