
ライター|F.A
大手不動産グループで17年間、現場実務から本社マーケティング、子会社の代表取締役まで経験。2023年に独立しコンサルティング会社を設立。現在は生成AIやデジタル戦略を活かし、不動産や飲食、広告など幅広い業界の成長を支援している。
目次
夜道を歩くたび、玄関の鍵を開けるたび――その不安、もう終わりにしませんか?
都内で一人暮らしを始めて3年になる会社員の田中さん(26歳)はこう振り返ります。
「最初の部屋は家賃の安さだけで選んでしまって。夜中に隣の部屋から聞こえる物音に怯えたり、エレベーターで知らない男性と二人きりになるのが怖かったり。結局、半年で引っ越しました」
彼女のような経験は決して珍しくありません。警察庁の統計によると、2023年の住居侵入事件のうち、約4割が単身世帯で発生しています。特に20代から30代の女性が狙われやすく、その多くが「防犯意識の低い物件」に住んでいたといいます。
しかし、適切な物件選びと防犯対策を行えば、この不安は大幅に軽減できます。
この記事では、女性の一人暮らしにおける防犯面の不安を解消し、安心して暮らせる物件選びの具体的なポイントを、最新のデータと専門家の知見を交えて解説していきます。
7割以上が「防犯面に不安」!狙われる物件の共通点は?
7割以上が「防犯面に不安」と回答
大手不動産情報サイトが2024年に実施した調査では、一人暮らしをする女性の実に73.2%が「防犯面に不安を感じている」と回答しています。その内訳を見ると、「空き巣・侵入窃盗」(68.5%)、「ストーカー被害」(45.3%)、「盗撮・のぞき」(41.7%)が上位を占めています。
興味深いのは、年代別の違いです。20代では「SNSでの居場所特定」への不安が32.1%に上るのに対し、30代以降では「近隣トラブル」への懸念が増加する傾向にありました。
被害の8割は「防げた可能性」
セキュリティ専門家の分析によれば、実際に発生した侵入被害の約8割は「適切な物件選びと防犯対策で防げた可能性が高い」といいます。
特に注目すべきは、被害物件の共通点です。
- 1階の部屋:全体の62.3%
- オートロックなし:71.8%
- 防犯カメラなし:89.2%
- 築20年以上:54.6%
これらのデータは、物件選びの重要性を如実に物語っています。
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セキュリティ設備の必須条件
オートロックは「最低限」、理想は二重三重の守り
「オートロックがあれば安心」――そう思っている人は多いでしょう。
しかし、防犯アドバイザーの山田氏は警鐘を鳴らします。「オートロックは確かに重要ですが、それだけでは不十分。住人の後について侵入する『共連れ』という手口もあります」
理想的なのは、以下のような多層防御システムです。
第1の壁:エントランスのオートロック
- テレビモニター付きインターホンで来訪者を確認
- 宅配ボックス設置で対面機会を減らす
第2の壁:エレベーター内の防犯カメラ
- 密室となる空間での安全確保
- 録画機能で証拠保全
第3の壁:玄関ドアのセキュリティ
- ディンプルキーやカードキーなどピッキング対策済みの鍵
- ドアスコープカバーでのぞき防止
- 補助錠の設置でダブルロック
2階以上の部屋選びに潜む「盲点」
「2階以上なら安全」という考えも、実は落とし穴があります。
実際、3階建てマンションの最上階で侵入被害に遭った女性(28歳)はこう語る。「屋上から雨どいを伝って侵入されました。まさか3階だから大丈夫だと油断していたんです」
階数選びのポイントは以下の通りです。
理想は3〜5階
- 侵入のハードルが上がる
- ただし最上階は屋上からの侵入リスクに注意
避けるべき条件
- 隣接建物から飛び移れる距離
- 雨どいや配管が登りやすい位置にある
- ベランダが道路から死角になっている
関連記事:ベランダの防犯は必須!賃貸でやっておくべき対策をご紹介
見落としがちな「プラスアルファ」の設備
管理人の常駐体制 平日の日中だけでも管理人がいる物件は、それだけで犯罪抑止効果が期待できます。「管理人さんが顔を覚えてくれていて、不審者がいたらすぐ声をかけてくれる。これほど心強いことはない」(30代女性)
宅配ボックスの重要性 コロナ禍以降、通販利用が増加し、宅配業者を装った犯罪も増えています。宅配ボックスがあれば、対面での受け取りを避けることができます。
共用部の照明 エントランスや廊下、駐輪場の照明が明るく、死角が少ない物件を選ぶことも重要です。
関連記事:賃貸物件に宅配ボックスは必要?メリットと注意点を紹介!
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【エリア選び】統計が示す「安全な街」の条件
犯罪発生率だけでは見えない「体感治安」
警視庁の犯罪統計を見ると、例えば、都内23区内でも地域によって犯罪発生率に大きな差があります。しかし、数字だけでは測れないのが「体感治安」です。
ある不動産会社の調査では、女性が「安心して暮らせる」と感じる街の共通点が明らかになりました。
1. 駅から物件までの道のり
- 街灯が整備されている
- 商店街など人通りがある
- 交番やコンビニが近い
2. 住民層の特徴
- ファミリー層が多い
- 地域コミュニティが活発
- 長年住んでいる住民が多い
3. 周辺環境
- 24時間営業の店舗がある
- 風俗店や深夜営業の飲食店が少ない
- 公園や緑地が整備されている
実際に歩いて確かめる「昼と夜の顔」
「必ず夜の時間帯に下見をしてください」――これは多くの不動産業者が口を揃えるアドバイスです。
昼間は活気のある商店街も、夜になると人通りが途絶える場所があります。逆に、オフィス街は平日の夜は人が多いが、週末は閑散としています。自分のライフスタイルに合わせて、実際に歩いてみることが重要です。
チェックポイント
- 最寄り駅からの所要時間(実測)
- 街灯の数と明るさ
- 人通りの量と質
- 逃げ込める場所(コンビニ、交番など)の位置
- 死角となる場所の有無
今すぐできる!日常の防犯習慣
「見せない」「教えない」「関わらない」の3原則
セキュリティの高い物件に住んでいても、日常の行動次第でリスクは高まります。防犯の基本は「3ない原則」です。
見せない
- カーテンは遮光タイプを選ぶ
- 洗濯物は室内干しが基本
- 郵便受けに名前を出さない(苗字のみ、または番号表示)
教えない
- SNSでの居住地特定につながる投稿を避ける
- 宅配伝票の処理は細心の注意を
- 知らない番号からの電話には出ない
関わらない
- エレベーターで不審な人物と二人きりにならない
- 深夜の一人歩きは極力避ける
- 近隣トラブルは管理会社を通す
小さな投資で大きな安心を
市販の防犯グッズを活用することで、さらに安全性を高めることが可能です。
おすすめアイテム
- 窓用補助錠(1,000円程度)
- センサーライト(3,000円程度)
- 防犯ブザー(1,500円程度)
- ドアスコープカバー(500円程度)
「月々のネイル代程度の投資で、安心して眠れるようになりました」(20代女性)という声も多数あります。
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まとめ:「不安」から「安心」へ、あなたの選択が未来を変える
女性の一人暮らしにおける防犯は、決して「運」や「偶然」に左右されるものではありません。適切な物件選びと日常の心がけで、そのリスクは大幅に軽減できるでしょう。
重要なのは、「完璧」を求めすぎないことです。すべての条件を満たす物件は稀少であり、家賃も高額になりがち。自分にとって「絶対に譲れない条件」と「あれば嬉しい条件」を明確に分け、現実的な選択をすることが大切です。
最後に、ある女性(35歳)の言葉をご紹介します。「セキュリティの高い物件に引っ越してから、夜もぐっすり眠れるようになりました。家賃は少し上がりましたが、この安心感はお金には代えられません」
あなたの新生活が、不安ではなく希望に満ちたものになることを願っています。物件選びは人生の選択。その一歩が、きっと明るい未来への扉を開くはずです。
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