【ライフライン手続き完全ガイド】電気・ガス・水道・ネット…引っ越し前にやるべきこと

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ライター|F.A

大手不動産グループで17年間、現場実務から本社マーケティング、子会社の代表取締役まで経験。2023年に独立しコンサルティング会社を設立。現在は生成AIやデジタル戦略を活かし、不動産や飲食、広告など幅広い業界の成長を支援している。

引っ越しが決まった瞬間の高揚感から一転、「あれ?電気やガスの手続きってどうすればいいんだっけ……」と頭を抱える人は少なくありません。実は、引っ越しに伴うライフライン手続きのトラブルで、新生活のスタートでつまずく人が年間約12万件も発生しています。引っ越し当日に電気がつかない、お湯が出ない、ネットがつながらない――そんな事態を避けるために、この記事では各種ライフラインの手続き方法から、知って得する料金プランまで、プロが教える完全ガイドをお届けします。

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1. 電気の引っ越し手続き|開通までの流れと必要書類

電力会社への連絡は引っ越し2週間前がベストタイミング

電気の引っ越し手続きは、意外にもシンプルです。現在契約している電力会社に連絡し、使用停止日を伝えましょう。同時に、新居での使用開始日も申し込みます。2016年の電力自由化以降、選択肢が格段に増えた今、引っ越しは電力会社を見直す絶好の機会でもあります。

必要な情報・書類

  • お客様番号(検針票や請求書に記載)
  • 現住所と新住所
  • 契約者氏名
  • 使用停止日・開始日
  • 連絡先電話番号

電力会社選びで年間1万円以上の節約も可能

東京電力エナジーパートナーの調査によると、電力会社を変更した世帯の約67%が「料金が安くなった」と回答しています。特に一人暮らしの場合、基本料金0円プランを選ぶことで、年間約8,000円~12,000円の節約が可能です。

おすすめの電力プラン比較

  • 従量電灯プラン:使用量に応じて料金が変動する標準的なプラン
  • 時間帯別プラン:夜間の電気代が安くなるプラン(在宅勤務者は要注意)
  • オール電化プラン:給湯器や調理器具も電気の場合にお得

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2. ガスの引っ越し手続き|都市ガスとプロパンガスの違いに注意

開栓作業には立ち会いが必須

ガスの手続きで最も重要なのは、開栓作業時の立ち会いです。安全確認のため、必ず契約者本人または代理人の立ち会いが求められます。都市ガスの場合は地域のガス会社、プロパンガスの場合は物件指定の業者への連絡が必要となります。

ガス開栓の流れ

  1. 引っ越し1~2週間前にガス会社へ連絡
  2. 開栓希望日時を予約(土日も対応可能な会社多数)
  3. 当日、作業員がガス機器の点検・説明(所要時間約20分)
  4. ガス使用開始

プロパンガスは都市ガスより約1.8倍高い現実

経済産業省の統計によると、プロパンガスの平均価格は都市ガスの約1.8倍です。年間で見ると、一人暮らしでも2万円以上の差が生じることがあります。物件選びの際は、ガスの種類も重要なチェックポイントになります。

3. 水道の引っ越し手続き|意外と忘れがちな重要ポイント

水道局への連絡は自治体によって方法が異なる

水道の手続きは、各自治体の水道局が管轄しています。東京都水道局の場合、インターネットで24時間手続き可能ですが、地方都市では電話連絡のみという場合も。引っ越し先の自治体サイトで事前確認が必須です。

水道手続きの特徴

  • 基本的に立ち会い不要
  • 使用開始時は元栓を開けるだけ
  • 口座振替の手続きは別途必要
  • 下水道料金も同時に請求される

水道料金の地域格差は最大8倍

日本水道協会のデータによると、最も安い地域と高い地域では、月額基本料金に最大8倍の差があります。山梨県富士河口湖町の835円に対し、北海道夕張市では6,841円と、地域による格差は想像以上に大きいでしょう。

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4. インターネット回線の引っ越し|工事待ちで1ヶ月以上かかることも

光回線の移転は早めの手続きが肝心

インターネット回線の引っ越しは、最も時間がかかる手続きの一つです。特に3~4月の繁忙期は、工事予約が1ヶ月以上先になることも珍しくありません。テレワークが定着した今、ネット環境の確保は生活インフラとして最優先事項となっています。

回線移転の選択肢

  1. 現在の回線を移転:工事費用は1万円~3万円程度
  2. 解約して新規契約:キャッシュバックキャンペーンでお得になる場合も
  3. モバイルWi-Fiで代用:工事不要で即日利用可能

5G対応モバイルルーターという新たな選択肢

2024年の総務省調査では、固定回線からモバイル回線への乗り換えが前年比23%増加しました。特に単身世帯では、工事不要で持ち運び可能なモバイルルーターの需要が急増しています。月額料金も固定回線とほぼ同等で、引っ越しが多い人には最適な選択肢となります。

5. 各種ライフライン手続きチェックリスト|これで漏れなし!

引っ越し1ヶ月前から当日までのタイムライン

効率的な手続きのために、時系列でやるべきことをまとめました。このチェックリストを活用して、手続き漏れがないか確認しましょう。

【1ヶ月前】

  • インターネット回線の移転・解約手続き
  • 不動産会社へ退去連絡

【2週間前】

  • 電力会社への使用停止・開始連絡
  • ガス会社への使用停止・開始連絡(開栓日の予約)
  • 水道局への使用停止・開始連絡

【1週間前】

  • 郵便局へ転送届提出
  • 各種住所変更手続き(銀行、クレジットカード等)

【前日】

  • 現住所の電気・ガス・水道のメーター数値を記録
  • ブレーカーを落とす

【当日】

  • ガス開栓立ち会い
  • 新居の電気ブレーカーを上げる
  • 水道の元栓を開ける

6. 料金プランの見直しで年間3万円節約|セット割引活用術

電気とガスのセット割引が主流に

2023年の資源エネルギー庁調査によると、電気・ガスのセット契約世帯は全体の34%に達しました。セット割引により、年間平均で約15,000円の節約効果があるそうです。さらに、インターネット回線や携帯電話とのセット割引を組み合わせれば、年間3万円以上の節約も現実的です。

主要セット割引の比較:

  • 電気+ガス:基本料金から3~5%割引
  • 電気+ガス+ネット:トリプル割で最大10%割引
  • 電気+携帯電話:携帯料金から毎月100~300円割引

一人暮らしこそセット割引の恩恵大

意外なことに、使用量が少ない一人暮らしほど、セット割引の恩恵を受けやすくなります。基本料金の割引率が同じでも、使用量に対する割合が大きくなるためです。月間電気使用量120kWh程度の単身世帯なら、セット割引で基本料金が実質無料になるケースもあります。

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7. 解約・新規契約のベストタイミング|二重請求を避ける方法

日割り計算の落とし穴に要注意

多くの人が陥りがちなのが、解約日と開始日の設定ミスによる二重請求です。電気・ガスは日割り計算が可能ですが、インターネット回線は月額固定の場合が多いです。そのため、タイミングを誤ると1ヶ月分余計に支払うことになります。

賢い解約タイミング

  • 電気・ガス・水道:引っ越し当日に設定(日割り計算)
  • インターネット固定回線:月末解約がお得(月額固定が多い)
  • 携帯電話:更新月を確認(違約金回避)

引っ越しシーズンの料金値上げに警戒

あまり知られていませんが、3~4月の引っ越しシーズンは、一部の新電力会社が「繁忙期料金」を設定することがあります。通常より5~10%高い料金設定となるため、可能であれば繁忙期を避けた契約がおすすめです。

8. 詐欺・不正勧誘から身を守る|実際にあった手口と対策

「電力会社の者です」には要注意

国民生活センターによると、2023年の電力・ガス関連の相談件数は前年比15%増の8,521件もありました。特に引っ越し時期を狙った訪問販売や電話勧誘が急増しているようです。

典型的な詐欺の手口

  1. 検針員を装う:「検針に来ました」と偽り、個人情報を聞き出す
  2. 緊急点検を装う:「ガス漏れの可能性がある」と不安を煽る
  3. キャンペーン詐欺:「今だけ特別料金」と契約を急がせる

正規の手続きは必ず「お客様番号」の確認から

本物の電力・ガス会社は、必ず最初にお客様番号を確認します。逆に、お客様番号を聞かずに契約を勧めてくる業者は、ほぼ100%悪質業者です。少しでも怪しいと感じたら、その場で契約せず、正規の連絡先に確認することが鉄則です。

詐欺被害を防ぐ3原則

  1. その場で契約しない
  2. 身分証明書の提示を求める
  3. 不審な場合は消費生活ホットライン(188)に相談

まとめ|スムーズな新生活スタートのために

引っ越しに伴うライフライン手続きは、一見面倒に思えますが、実は新生活をより快適に、そしてお得にスタートさせるチャンスでもあります。電力自由化やセット割引を活用すれば、年間数万円の節約も夢ではありません。

最後に、引っ越し経験者の多くが口を揃えて言うのは「早めの行動が全て」ということです。特にインターネット回線は、予想以上に時間がかかることを肝に銘じておきましょう。このガイドを参考に、計画的に手続きを進めれば、新居での第一歩を気持ちよく踏み出せるはずです。

新しい街、新しい部屋、そして新しい生活―その全てが、あなたを待っています。ライフラインの手続きという小さな一歩が、大きな変化への第一歩となることを願っています。

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